2019年度第2回(6月)定例会の一般質問でSDGs(持続可能な開発目標)を取り上げました。
SDGsとは(Sustainable Development Goals、和訳すると持続可能な開発目標)という意味で、2015年9月の国連総会において採択された世界全体として目指していこうという目標です。
誰も置き去りにしないという理念の元、貧困問題を初め、気候変動や生物多様性、エネルギーなど、持続可能な社会をつくるため全世界で取り組むべき課題を17の目標に分け、更にそれを169の具体的な項目や指標があります。
これは新興国や先進国を問わず、全世界が取り組んでゆくべき目標ということで世界中で注目されています。
最近はSDGsのロゴ(下記画像参照)のバッチを胸に付ける人も増えているような気がします。

参照元:国際連合広報センター:https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/sdgs_icon/

私はこの世界が一丸となって取り組むべき目標であるSDGsの概念をもっと市役所内で積極的に活用するように提案しました。
自治体における日常的な業務であっても多かれ少なかれ、SDGsに合致しています。

議員の一般質問もそのほとんどはSGDs何かしらの目標に適合していると言えます。
市政においてもSDGsの概念が適用できます。

山本のこれまでの一般質問をSDGsの概念に当てはめてみた

木更津市ではそのことを最も意識的に取り組んでおり、下記のように、自治体窓口において関係のある目標のロゴを掲げています。

参照元:木更津市ホームページ市SDGs(持続可能な開発目標)の推進  https://www.city.kisarazu.lg.jp/shisei/keikaku/organic/1002785.html

そうすることによって、市民へのSDGsへの周知が図ることができるほか、自治体職員にとっても「世界的な目標に向かっている」という意識が醸成され、モチベーションの向上にも繋がるのではないか。

上記のように提案したところ、まだ市役所内においてもSDGsに対する認知度が低く、そういった施策はできそうもないということでした。
私としては、むしろ認知度が低いからこそ、企画政策課が率先してSDGsの啓発に取り組むべきだと思ったのですが…

とはいえ、SDGsに対する重要性は理解しており、今後もSDGsに対する啓発や普及についてはしていきたい、ということではあったので、
今後の市役所の取組みに注視していきたいと思います。

―――――――――――――――――――以下、議事録―――――――――――――――
◆2番(山本洋輔君)
まず第1点目、SDGsについてです。
最近、しきりにSDGsという言葉を聞くようになりました。また、つい最近まではオリンピックのバッジを胸につけている方、結構たくさん見かけたと思うんですけれども、最近はこの虹色のドーナツ型のマークを胸につけている方も大分ふえてきたなというふうに感じます。この立川市議会にもたまにつけている方いらっしゃるなというのを記憶しておりますが、こちら、SDGsのシンボルマークとなっておりまして、民間ではSDGsに取り組んでいる企業の方を初め、着用している人がふえてきているということです。
また、つい先日、子ども未来センターにて環境フェアというイベントが開かれました。
今プロジェクターにも映っているんですけれども、こちら、立川市の環境対策課のブース、こちらは西武信用金庫さんの協賛でSDGsダーツというものをしていました。
このように、企業においても、また行政においてもSDGsを身近に捉える人が急速に増加しているように感じます。
SDGsとは、Sustainable Development Goals、和訳すると持続可能な開発目標という意味でして、2015年9月の国連総会において採択されました。「誰も置き去りにしない」という理念のもと、貧困問題を初め、気候変動や生物の多様性、エネルギー問題など、持続可能な社会をつくるため、全世界で取り組むべき課題を17の目標に分け、そして169のターゲットで構成したものです。
日本政府も、現在、全国務大臣を構成員とするSDGs推進本部という部署を設置して、自治体に対しても積極的にSDGsの取り組みを後押ししようとしています。
このSDGsというのは、また後ほど一問一答席でスライドを交えて御説明いたしますが、本当に全世界で一丸となって取り組むべき共通の目標ということで、日本国内においても、政治の立場左右問わず認識が広まりつつあります。
この立川市においても、政治的立ち位置としてはいわば私と全く真逆だと思われる某国会議員の方がSDGsに関する講演会をされていたと聞いています。なので、政治の世界においてももうSDGsの概念を政策に取り入れようという認識はかなり深まっているのかなと感じています。
SDGsというのは、全世界的な目標でありながら、自治体行政においても医療や福祉、ごみやインフラやまちづくり等、政策においても、日常の業務においてもSDGsの理念を適用していけるものです。であるから、SDGsの視点を日々の行政運営を通じて持っていただきたいなというふうに感じております。
そこでお尋ねいたします。
現在、立川市としてのSDGsの推進、取り組みについてはどのような見解かお伺いいたします。

◎市長(清水庄平君) まず、SDGsは、さまざまな課題に総合的に取り組むための持続可能な開発目標を定めたもので、2030年に目指すべき17の国際目標として、途上国のみならず、先進国自身も取り組むべき目標として169のターゲット、232の指標が定められ、国、民間企業など、さまざまな主体による取り組みが加速しています。
 地方創生の関連では、平成30年12月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略2018改訂版において、地方公共団体における持続可能な開発目標の達成に向けた取り組みの推進が示されております。
 地方創生分野における日本のSDGsモデルを構築していくためには、地域課題の見える化、体制づくり、自治体の各種計画の策定、改訂、課題に応じた地域間の広域連携など総合的な取り組みによって、経済、社会、環境の3側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現する取り組みが必要とされます。
 本市では現在、第4次長期総合計画の後期基本計画の策定に向けた取り組みを進めており、施策や事業の中にはSDGsの理念に合致するものもございますので、持続可能なまちづくりのためにも、SDGsの達成に向けた取り組みを推進してまいります。

◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
それでは、御答弁いただきましたので、SDGsについて引き続き質問させていただきます。
御答弁としては、第4次長期総合計画の後期基本計画の中に盛り込んでいくことを検討していくということでした。これはしっかり検討していただけるよう要望してまいりたいと思います。
さて、そもそもなぜそこまで最近になってSDGs、SDGsとしきりに騒がれるようになったのか。SDGsの前身というのはミレニアム開発目標というのがあるんですけれども、そちらは自治体行政においてはほとんど今まで言及されてこなかったと思います。にもかかわらず、なぜ今SDGsなのかお伝えする意味も込めて、少しお時間割いて説明させていただければと思います。
スライドをごらんください。

さて、先ほど申し上げたように、2015年まではSDGsの前身としてミレニアム開発目標というものがありました。ミレニアム開発目標というのは、ミレニアムというくらいなので2000年に国連で採択されたもので、2015年までの目標を定めたものです。
幾つか見てみると、中には普遍的初等教育の達成ですとか、幼児死亡率の削減ですとか、あるいは妊産婦の健康改善ですとか、ちょっと日本のような先進国が取り組む問題としてはちょっといまいちそぐわないものもあったため、やはりニュアンスとしては途上国支援あるいは途上国が取り組むべき問題という意味合いが強いものでした。
このミレニアム開発目標が2015年に達成期限を迎えて、これまでの取り組みや達成状況をおさらいしたところ、全体としては数的にはよくなった、向上した点はあった。一方、一部の地域ですとか民族に焦点を当てると全く改善されていない人たちがいる、すなわち置き去りにされている人たちがいることが明らかになりました。
また、目標としても、途上国で解決すべき問題ばかりで、先進国で取り組める問題が限定的だったという、そういった反省もありました。
そうした反省を踏まえて、誰も置き去りにしない次なる目標、それも途上国だけじゃなくて、先進国も全世界一体として取り組めるような目標が必要、そういうことで2015年9月に誰も置き去りにしないという共通理念のもと、SDGs、持続可能な開発目標というものが国連総会で採択されました。
先ほどの御答弁にもありましたが、17の分野と、その目標にそれぞれぶら下がった169のターゲットを掲げて、分野としては非常に多岐にわたっています。
以上のようなことから、SDGsというのは途上国、先進国問わず、全世界で取り組むべき目標となっています。
また、SDGsの前文には、全ての国及びステークホルダーは協同的なパートナーシップのもと、この計画を実行すると記載されており、17の目標を見ますと、途上国のみならず、先進国、さらには国でないステークホルダーであっても取り組める目標であることがわかります。自治体の業務においても非常に関係の深い目標になっているのかなというふうに印象を受けます。
例えば、これは私が議員になってから取り上げた一般質問のテーマです。
見ていただくと、一番上、私が一番最初に取り上げた若者議会をというものなんですけれども、若者議会というものはSDGsでいうと住み続けられるまちづくり、パートナーシップで目的を達成しよう、そういった目的に合致します。その17のターゲットの中の住み続けられるまちづくりというターゲットの下にぶら下がっている具体的なターゲットとしては、参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理能力を強化するというものに当たり、パートナーシップで目的を達成しようという目的に対しては、具体的なターゲットとしては、さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略をもとにした効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進するというものに当たります。
また、一番下の直近で取り上げたフードバンクの支援を訴えた質問については、貧困をなくそうですとか、飢餓をゼロに、あるいは使う責任、つくる責任、そういったものに当たるので、こちらは説明しなくてもそうかなという印象がしますね。
以上のように、一般質問がSDGsのどれかしらの目標に合致するものであるというのは、何も私の一般質問だからSDGsの何かに合致するというのではなく、ほかの議員の方々の一般質問も何かしらの17の目標のどれかしらに当たると思います。このことからも、市政のお仕事がSDGsの文脈で語ることができるということがわかると思います。
スライドは一旦終わります。
以上のようなことを踏まえ、SDGsについて庁内における認知度についてお伺いいたします。
SDGsは、世界が共通して抱く目標として、市政に携わる行政職員の方々も知っているべきだと考えます。また、SDGsを意識して日々の業務に取り組むことは、全世界共通の目標に向かっているという意識を醸成することに寄与し、職員の方々の使命感や士気の向上にもつながるのではないかと考えています。
現状の庁内におけるSDGsに対する認知度についてどのようにお考えでしょうか。お答えください。

◎総合政策部長(栗原寛君) SDGsが本市の施策や事業に関連していると意識している職員は、全庁的にはまだまだ低いと認識しております。
 以上です。

◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。まだまだ認知度が低いということです。
今後は庁内における認知度を上げていくべきだと思いますが、職員のSDGsに対する認知を図る必要性についてはどのような認識でしょうか。

◎総合政策部長(栗原寛君) 中長期を見通した持続可能なまちづくりのためには、地方創生に資する持続可能な開発目標、SDGsの達成に向けた取り組みを推進していくことが重要であり、職員も意識して取り組む必要があると認識しております。
 以上です。

◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。職員としても今後意識して取り組む必要があるということでした。
それでは、現在何か職員に対する啓発活動ですとか周知活動とかは何かしていらっしゃいますでしょうか。

◎総合政策部長(栗原寛君) 職員にこれに特化した周知というのはまだほとんどできていない部分がございますけれども、例えば先ほど議員からもパワーポイントのスライドを使って見せていただきましたけれども、17の目標のうち、例えば貧困をなくす、健康と福祉、質の高い教育、ジェンダー平等、安心な水とトイレ、環境問題、これらの個々の取り組みは各部署で市民と事業者と連携して施策に取り組んでおりまして、そのことはSDGsの理念と合致するものであると考えているところでございます。
 以上です。

◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
日々の政策ですとか業務がSDGsの17の目標にどれかしらに合致するということで、それを合致しているということを知るということと、意識するということが大事だと思うので、今後の取り組みに期待したいと思います。
私が御提案したいのは、SDGs達成に向けて何か新しい予算をとってきて、新しい福祉政策を用意してくれとか、そういうことではありません。
先ほど申し上げたように、市がやっている日常業務ですとか既存の政策というのは市民の福祉や生活に直結して、SDGsのどれかしらのゴールに当てはまります。なので、新しい施策を用意するというよりは、むしろ既存のそれぞれの政策がSDGsのどのゴールに結びついていて、どのゴールに貢献しているのか、それを可視化することが現状は大事かなというふうに考えています。そうすることで、まずはSDGsに関する認識を市内全体で深めて、そして日常のルーチン業務に対するやりがいも一層増してくるのではないかなというふうに思っております。
例えば、木更津市においては、SDGsについて、来庁する市民の方と庁内の職員の認知度を高めるために、もっと身近にSDGsを感じられるような工夫をしています。
スライドをごらんください。

 
木更津市役所の庁舎内の案内看板には、各課が取り組む目標のロゴマークを提示しています。例えばこちらは高齢者福祉課、基本的には緑の全ての人に健康と福祉をという目標がメーンなんでしょうけれども、細かい政策や業務を入れたら七つの目標に関連しているということです。こうすることで職員も自分のふだんしている日常業務が世界的な目標に寄与していると、そういう実感を得る一助になるのではないかなというふうに思います。
また、ほかには、市の広報誌にもアイコンを積極的に活用するという方法があります。
これも木更津市なんですけれども、ちょっと小さくて見づらいと思うんですが、こちら、木更津市が主催しているイベントの告知チラシです。右下のほうに、小さくてちょっと見づらいかもしれませんけれども、関連するSDGsのロゴが載せてあります。そうすることでまた職員や市民へのSDGsをもっと身近に感じることができるものとなっています。
こういった取り組みだったら立川市でもそんなに難しくないのかなというふうに思います。
例えば、広報たちかわ、こちらは毎号、市の講座ですとかイベントの告知がありますが、これも例えばイベントの横にロゴを載せるなど、市の各イベントがSDGsにおいてどんな目標に当たるのか、一目で伝えることができます。


例えばこれだと、日本の環境なんで、13番の環境関係、あるいはこれは外交なので、平和とかパートナーシップ、こちらは田んぼなんで持続可能なまちづくりとか、そこら辺です。
スライドを終わります。
こうした取り組みというのは費用はそこまで高くつかないとは思いますし、ちょっと個人的な感想にはなるんですけれども、デザイン的にもなかなかカラフルでおしゃれなんじゃないかなというふうに感じております。
立川市においてもこうした何気ないところにSDGsのアイコンを活用していく等の工夫はできると思うので、検討してみてはいがでしょうか。

◎総合政策部長(栗原寛君) 御提案のロゴマーク等を用いた可視化につきましては、現時点で取り組む予定はございませんが、他の自治体の取り組みなども参考に調査研究してまいります。
 以上です。

◆2番(山本洋輔君) 現状では取り組む予定はないということですが、私の提案に限らず、周知していくための工夫や手法というのはほかにもいろいろたくさんありますので、今後研究していただくことを強く要望します。
次に、地方創生SDGs官民連携プラットフォームについて提案いたします。
内閣府が自治体におけるSDGsへの取り組みを促進するために、地方創生SDGs官民連携プラットフォームという、ちょっと名前長いんですけれども、そういうものを組織しております。
こちらは、SDGsに関して官民の連携づくりを支援することを目的として立ち上げたもので、入会している民間企業、団体、大学、自治体のマッチングですとか情報交換をしたりですとか、あるいは分科会や普及促進活動等への参加などのメリットがあります。
現在645の団体の会員がいまして、民間団体が379団体、関係省庁が12団体、都道府県や市町村などの自治体が254団体、ここら辺の多摩地域ですと武蔵野市、青梅市、調布市、西東京市、国分寺市、日野市が既に入会しています。情報共有や官民連携、普及促進活動をするに当たって入会するメリットはあるのではないかなというふうに考えています。
入会金や会費も特にかからないということですので、本市がSDGsと向き合う一つのきっかけとしても入会を検討してみてはいかがでしょうか。

◎総合政策部長(栗原寛君) 御指摘のような官民連携プラットフォームのメリットにつきましては、他の自治体の動向を注視しながら調査研究してまいります。
 以上です。

◆2番(山本洋輔君) ほかの自治体を研究するということです。既に隣の国分寺市や日野市でも入会しているということなので、ぜひそちらに、役に立っているのかどうかとか、いろいろ聞いてみたり、問い合わせてみたり、研究していただくように要望いたします。
最後になりますが、改めて、庁内におけるSDGsに関して何らかの啓発あるいは周知等の活動、今後何か検討できませんでしょうか。

◎総合政策部長(栗原寛君) 令和2年度を初年度とする第4次長期総合計画後期基本計画では、分野横断的な取り組みとしてSDGsの理念も踏まえて策定に取り組んでおります。
 今後、計画の庁内周知の際には、SDGsの理念もあわせて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。

◆2番(山本洋輔君) わかりました。最初の答弁にもあったように、長期総合計画後期基本計画にSDGsの理念を盛り込んでいくというふうに解釈しました。これはもう本当にそのとおりにやっていただきたいなというふうに思う次第です。
今後、こちらの後期基本計画の策定に注視してまいるとともに、SDGsの理念を抱きながら市政に取り組んでいただくよう要望して、この質問を終わりにします。