2019年度第1回定例会、2つめの一般質問は立川市における障害者雇用の問題について取り上げました!2019年度から募集要項の改善が見られ、その点は非常に評価できます。今回の質問ではそのことを確認し、評価しつつも、より多くの当事者の人たちが応募できるような工夫を求めました。
【山本の主張】
これまで障害者雇用の募集要項において、自力で通勤できることや、介護者なし、あるいは近隣に在住していることなど、さまざまな制約が提示されており、そういった制約が門戸を狭めていて差別的ではないかという指摘もなされていた。しかし、今年度からそういった制約が撤廃なされ評価している。今回の改正された条件での応募状況はいかがか。また今回、募集要項が改定されたのであれば、当事者たちに周知したのか、していないのであれば周知すべきではないか。これまで「どうせ自分は無理だ」と諦めていた障害者の人たちに、きちんと応募できる旨を伝えていけば、更に応募が増え、採用も増えるのではないか。
【立川市の答弁】
山本の指摘に対して前向きな答弁を得ることができました。今回の応募は16名と過去10年間で最多という成果を挙げることができたということです。しかしその一方、採用は数人の予定であったにも関わらず、合格者は1人にとどまったということです。もっと多くの人の応募があれば合格者をもっと出すことができたはずです。今回は関係機関や当事者たちへの周知が徹底していなかったので、今後は工夫していきたいとのことでした。
来年度の募集に際してどのような周知や選考がなされるか、引き続き注目していきます。
―――――――――以下 議事録――――――――――――
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◆2番(山本洋輔君)
2点目の質問に移ります。
ハンデを抱えている人たちの就労を応援する、それは当然なことだとは思いますが、まず、その姿勢は本市みずから率先して示していくべきだと考えております。ということで、2点目の質問は、本市における障害者採用について取り上げさせていただきます。
さて、昨今、省庁や自治体等の公的機関において、障害者雇用率の水増しがあることが相次いで発覚しました。国の機関で約3,700人、自治体においては3,800人ほどの水増しがあり、極めて大規模、かつその手法も極めて悪質と思わざるを得ません。
障害者の認定も実にいい加減で、障害者手帳の有無すら確認せず、死亡した職員や退職者あるいは健康診断で異常を指摘された人や、私のように視力が0.1以下の人、そういった人たちまでどんどん算入していったということです。
省庁の人たちは、不適切だったというふうには表現していますが、言語道断。法律の趣旨を考えても、実際なされたことを見ても、明らかに、不適切というよりは、どちらかというと、違法と知りながら故意になされたもの、そのように思わざるを得ません。民間に対して率先して範を示していくべき公的機関がそのような事態を引き起こしてしまうのは、本当に残念としか言いようがありません。
よもや立川市ではこんなことはないだろう。もし水増しがあったら本議会もさぞかし荒れるだろうというか、荒らそうと思って確認したんですが、本市に関しては、確認した結果、障害者手帳をきちんと確認しており、法定雇用率も満たしているということでしたので、とりあえずは胸をなでおろした次第であります。
さて、一連の水増しの問題でしたが、実は、この問題を契機に、障害者採用のあり方自体を見直そうという大きな動きも出ています。これまで多くの公的機関では、募集要項において、自力で通勤できることや、介護者なし、あるいは近隣に在住していることなど、さまざまな制約が提示されており、かねてより、こういった条件が門戸を狭めているのではないか、その条件自体が差別的ではないか、そういった指摘がなされていました。その条件が、現在、あらゆる公的機関で撤廃なされる方向にあり、障害者採用に対して門戸が広がろうとしています。
本市においても、来年度に向けた採用試験が昨年末から開始されたと記憶しております。
そこで質問です。
今年度の障害者、立川市職員採用試験において、募集要項等などにおいて前年度と変更になった部分はございますでしょうか。よろしくお願いします。
◎市長(清水庄平君)
障害者、職員採用についての条件等についての御質問でございます。
平成31年度に向けての障害者枠での職員採用試験については、3点変更を行いました。1点目は、障害種別を身体障害のみとしていたところを、精神障害、知的障害者も受験できるよう拡充したこと、2点目は、自力による通勤の条件を撤廃したこと、3点目は、介助者なしでの職務の遂行ができる条件を撤廃したことであります。
◆2番(山本洋輔君)
自力通所の廃止ですとか、あるいは知的障害者や精神障害者を加えられた等の変更がなされたということです。募集要項としては非常に門戸が大きく広がったというふうに解釈できますので、これは大変評価できることだと考えております。
それでは、今回、このような募集要項の改定に至ったいきさつ、どのような経緯があったのでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 今回のいきさつでございますけれども、障害者雇用促進法の改正などもございまして、障害者雇用については門戸を開いていくという方向性は、私ども、数年前から内部検討はしてまいりました。今回、東京都の採用試験の募集案内等を参考にして、取り扱いを決定しております。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
それでは、今回の採用試験は、募集開始から募集の締め切りまでの期間はどの程度だったのでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 募集につきましては、平成30年11月5日に市ホームページに、それから11月10日号の広報に掲載をいたしました。
応募の締め切りは、平成30年11月23日となっております。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
では、募集開始から締め切りまで約3週間程度ということですね。少し何か短いのかなという感じもしましたけれども、それはとりあえず置いておいて、それでは採用試験のその募集の周知方法はどのようなものがあったでしょうか。先ほどホームページと広報とありましたが、ほかに何かありましたでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) ホームページ、広報以外には、市の公式ツイッターで行っております。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。わかりました。では、広報とホームページとツイッターの3点とわかりました。
では、募集開始の旨は、例えば当事者ですとか、あるいはそういう福祉関係の団体等への、こういう募集が始まったよといった、そういった通知等は送られましたでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 先ほど申し上げた三つの方式以外には、特に通知は送っておりません。
◆2番(山本洋輔君) 今まで自力通所できなかったりですとか、あとは精神や知的の方ですとか、今まで募集要項でそもそも応募資格がなかった人たちは、今回新たに自分も応募できるんだ、そういうことに、募集開始から締め切りまでの約3週間の間にそういう募集に気づくことができるかどうかというのは、ちょっと気づかずに見逃してしまったのではないかなというふうに少し懸念しておりますが、新たに募集可能となった対象者に対しても、こういった周知は十分だったという認識でしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 今回の応募者の方には、遠く大阪から応募された方もいらっしゃいまして、必ずしも私どものやり方で気がつくことができないということではないというふうに考えておりますけれども、今後は工夫してみる余地もあるかなというふうには思います。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
できれば次回は、募集要項が大きく改定されたわけですから、例えば障害福祉課と連携するなどして、当事者の方たちですとか、あるいは関係団体等への周知など、そういった配慮ができればなおいいのかなというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) その点につきましても、今後検討してまいりたいというふうに思います。
◆2番(山本洋輔君) 検討していただけるということで、ありがとうございます。ぜひ来年から何らかの配慮がなされればというふうに思っております。
それでは、今回の応募状況について伺わせていただきます。
まず、今回の応募状況は、昨年度と比較してどのような特徴がありましたでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 今回は16名の方に受験をしていただきました。これは、ここ10年間で最多、一番多い人数ということになっております。
内訳といたしまして、身体障害が1名、精神障害が14名、知的障害が1名となっております。
◆2番(山本洋輔君) 募集要項には、たしか2次試験と3次試験において、特別に配慮が必要な場合は申請するようにという記載があったと思います。今回の採用試験において、何か特別な配慮等をすることはありましたでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 今回は、特に配慮が必要だというお申し出はございませんでした。
◆2番(山本洋輔君) 今回合格するまでに至った人の人数と、その人たちの特徴等があれば、御教示いただければと思います。
◎行政管理部長(田中準也君) 今回の合格者は1名ということでございます。特徴につきましては、プライバシーの問題がございますので、答弁は控えさせていただきます。
◆2番(山本洋輔君) 今回の募集人数は、たしか3人か4人くらいだったと記憶しているので、合格者が当初の募集採用人数に届かなかったということですね。不合格となってしまった残りの15人について、どのような点がネックだったのでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 先ほどの条件、勤務条件ということで申し上げれば、合理的配慮の提供がなされれば業務遂行ができるかどうかということが一つの判断基準となるというふうに考えておりまして、今回はそこまでの水準に達していなかったというふうに判断をいたしました。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。せっかく募集が三、四人くらいで、何人も採用するチャンスがあったのに、結果として1人しか合格者を出せなかったのは、やはりもっと多くの人に応募してもらえたら、ちょっと採用するチャンスがあったんじゃないかなというふうに思いました。
最後に、採用する障害の種別について多様性を持たせることは、本市職員にとっても、本市にとっても、非常に有意義なことだと考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。
◎行政管理部長(田中準也君) 議員御指摘のとおり、これからはダイバーシティ、多様性というものを重視していく必要性を感じておりますので、障害者雇用につきましても計画的に実施をしてまいります。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。障害の種別の多様性を求めるからといって、それを優先して採用試験で何かげたを履かせるみたいな、そういうことはもちろんないにしても、やはりまず多様性を持たせるための第一歩は、できるだけ多くの方に応募していただくことなのかなというふうに思います。
先ほど私が申し上げたとおり、やはりより多くの人たちに応募していただけるような周知の工夫、そういったことを次からしていっていただければなと要望し、次の質問にまいろうと思います。