遅くなりましたが、12月議会の議事録もいただいたので、12月議会の報告を行いたいと思います。

今回取り上げたのは以下の3テーマで本記事では一点目のLGBT施策について記載します。

 

今や性的マイノリティに対する配慮を促す施策は全国規模で急速に進んでいます。

つい先日発表された電通のLGBT調査においても、LGBTに対する認知度が数年前と比べて大幅に上昇していることや、

また、LGBT層の割合も前回の2015年の調査から増加していることも明らかになりました。

 

多摩地区においても隣の国立市では1年ほど前にアウティングの禁止を盛り込んだ全国初めての条例、国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例が制定されました。

また、府中市では同性パートナーシップ証明制度を導入することを発表するなどあちこちの自治体で政策が実現されており目が離せません。

一方、立川市においてはお世辞にもLGBT施策が進んでいるとは言えません。目立った政策がないのが現状です。

そこで今回は時期尚早とは思われることを承知の上で、同性パートナーシップについて言及させていただきました。

先述の電通の調査においても、78.4%の人が同性婚に「賛成」しているとの結果が出ました。

立川市でも何の対応もしなくて良いのか、多くの人が賛成しているのに、誰も困らないのにやらないのか、

そんな思いを抱きながら一般質問に臨みました。

この質問の結果、女性総合センター・アイムカウンセリング相談室のパンフレットに性的マイノリティ当事者の方も相談できる旨を追加で記載していただくことになりました!

 

左が以前のもの、右が改訂後のものです。

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動画はこちらから!

ーーーーーーーーーー以下、議事録よりーーーーーーーーーーーー

○2番(山本洋輔君) こんにちは、緑たちかわの山本洋輔です。通告に基づき、一般質問をさせていただきます。
今回は、主に三つのテーマで質問させていただきます。
一つ目はLGBTの関係、二つ目は困窮者の問題、そして三つ目は障害を持った人たちへの支援について。
いずれもマイノリティーと言われている人たち、何かしらの生きづらさを抱えた人たち、そういった人たちが少しでも生きやすい立川になるよう質問していこうと思います。
それでは、一つ目の質問に移らせていただきます。
一つ目は、LGBTの方々への施策についてです。
私が議員としてこの問題に触れるのは今回が初めてですので、少し自分の興味を持つようになったきっかけですとか思いを述べさせていただければと思います。
私が初めて「性的マイノリティー」という言葉をきちんと知ったのは約7年前、大学時代、一橋大学に通っていたころでした。大学でジェンダー関係の授業を受けまして、初めて「LGBT」という言葉も知り、そういう人たちがいるということも初めて知りました。今から考えると非常に恥ずかしいのですが、自分が大学でこの問題に触れる前まではそういう人たちがいるということも知らなかったし、いたとしても、自分とは全く関係ない存在だろう、そのように思っていました。
大学で講義を受けたりですとか、そういうことを経て一通りの知識は得たものの、でも自分の身の回りには実際当事者とかもおらず、よく左ききの人と同じくらいの割合でいると言われていますけれども、本当にそんないるのかと、半ば半信半疑で、しばらくは自分とは余り縁のない問題だなと感じておりました。
しかし、その考えが変わったのが大学卒業後、社会人になってからでした。ふとしたことから、学生時代、自分の仲のよかった友人がゲイだとわかり、身近にいないと思っていた自分の先入観が誤りであったことに気づきました。
また、大学時代の友人とは大学時代には恋愛の話もする仲でしたので、パートナーのことを「彼女」って言ってしまったりですとか、そういったぐあいで無意識的に彼のことを傷つけてしまっていたのかもしれないと、そのように反省しました。
その後も社会人になって新しくできた親友とも呼べるような友達が実はゲイであるとカミングアウトを受けたりですとか、日ごとに当事者と言われているような人たちが、自分が想像していた以上に多いと気づきました。
さて、言うまでもないことですが、性的マイノリティーの方々への施策、不平等の是正というのは、今や世界規模に、かつ急速に進みつつあります。そして、このことはこの多摩地域においても例外ではないと思います。
例えば、お隣の国立市、これは以前、別の議員の方々からも言及があったと思いますけれども、1年ほど前にアウティングの禁止を盛り込んだ全国初めての条例、国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例が制定されました。
アウティングとは、本人の意思に反して、他人が勝手に性的指向や性自認をばらすということで、これは背景としては2016年、一橋大学で同級生にアウティングされたことが原因で校舎から飛びおりて亡くなってしまったゲイの学生のことがきっかけで世間にも認知されるようになったことです。
私はこの事件のことを知ったとき、自分がかつて通っていた大学でそのような悲しいことが起きてしまったことに非常に悲しく、またそういったことを隠蔽しようとした大学に対しても、非常に大きな憤りを感じました。
また、つい先週、11月28日の話ですが、府中市で来年4月から同性パートナーシップ証明制度を導入することを発表しました。
府中市では、かつて1990年に府中青年の家事件というものがありまして、ゲイとレズビアンの団体が合宿利用中にほかの団体から嫌がらせを受けて、その後宿泊利用を拒否されるという事件がありました。
かつてそんな事件が起こっていた自治体においても同性パートナーシップが認められるようになったというのは非常に大きな進展だと思います。
東京都での同性パートナーシップの導入は、東京都、都内では渋谷区、世田谷区、中野区、豊島区、それに続いて今回の府中市で五つ目となる見込みです。
また、これもまたつい先日のニュースですけれども、同性のカップルが同性婚ができないのが憲法違反だとする訴訟が東京及び全国数カ所の地方裁判所で同時に提訴される見込みとなっております。
原告は複数の同性カップルで、約30人の弁護団が婚姻の自由の侵害を訴えるということで、来年2月から3月にかけて行われるとのことです。
以上のように、刻一刻と性的マイノリティーに対する施策は多摩地域でも、都内でも進展しております。
立川市の現状といたしましては、第6次男女平等参画推進計画において、「性的少数者への理解を深める啓発」というものが掲げられております。実際この計画に基づいて、現在は教育現場での啓発、あるいは市民講座等で取り組んできたことは一定の評価はできると思います。しかし、啓発にとどまっているというのは、やはりまだまだ他市に比較してもおくれているなという印象は否めません。
これまでほかの議員の方からもそれを指摘する質問、たびたびあったとは思いますが、いずれの答弁においても他自治体の動向を見ていく、研究していく、そのような感じの答弁だったと思います。
そこで、改めてお尋ねします。
これまでの同性パートナーシップを含む先進自治体の研究というのは、どのような状況でしょうか。これが第1点目の質問です。
○総合政策部長(小林健司君) 本市のLGBTに関する研究状況でございます。
 都内の幾つかの自治体では、条例に「多様な性」についての記述がございます。同性パートナーシップの宣誓に関しては、御紹介あったように、都内の渋谷区・世田谷区・中野区・豊島区などが取り組んでおります。
 宣誓書の証明の発行につきましては、法的有効性などの点で課題があると考えているところでございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
それでは、御答弁いただきましたので、LGBT施策から引き続き質問をさせていただきます。
同性パートナーシップについては、まだ課題があるとのことでした。しかし、2015年11月にNHKが全都道府県の当事者2,600人に対してアンケート調査を実施しました。
その結果としては、多くの当事者の方が同性パートナーシップ制度を望んでいるという結果が出ました。
例えば、「同性間の結婚についてどう考えますか」という設問に対しては、「同性婚を認める法律をつくってほしい」という回答が約65%。
別の質問では、「結婚ではなく、パートナー関係の登録制度を国がつくってほしいか」という質問に対しては、「つくってほしい」というものが……すみません、失礼しました。
「同性婚についてどう考えるか」という質問に対して、「法律をつくってほしい」という回答が65%、「同性婚ではなく、パートナー制度をつくってほしい」という回答が25%。
いずれも9割近くの当事者の方が何らかのパートナー制度ですとか同性婚を望んでいるということでした。
また、「結婚相当の証明書、そういうのがあったら申請したいか」という設問に対しては、「申請したい」という回答が38%、「パートナーができたら申請したい」という回答が43%、「申請したくない」という方が17.6%であり、8割の方は申請することを望んでいます。
よく当事者の方の割合を全体の7.6%、左ききの人と同じくらいの割合だと言い古されておりますが、その割合で立川市の人口で単純計算しますと、立川市の人口18万3,600人に対して、当事者の方がほぼ1万4,000人。そのうちの8割に当たる1万1,200人。未成年の方を除いたとしても、約1万人くらいの立川市民の人がパートナー制度を導入することを望んでいると、そのように考えることもできます。
私はこの数は決して少ないものではなく、無視するべきものではないと考えています。
もっとも立川市においては、残念ながら、性的少数者への配慮ですとか対応というのは、他市に比較して、お世辞にも進んでいるとは思えませんし、そんな状況において同性パートナーシップなんて何を寝言みたいなことを言っているんだと思われる方も多分いるとは思います。
もちろん、同性パートナーシップについても検討の課題が多々あったり、あるいは同性婚についても反対意見を持っている人も少なからずいるということも承知はしております。
しかし、この制度自体は、ただパートナーになりたいという2人をパートナーとして認めようというだけのことで、これを実施したことによって誰かが不利益をこうむったりですとか、困る人が出てきたりですとか、そういうことが出てくるわけでもなく、またこの制度を仮に運用するとしても、そんなにお金がかかるわけでもないとは思います。
個人的な思いとしては、なぜ本市を含める多くの自治体が二の足を踏んでいるのかなと不思議なところですが、よく誤解されているのですが、同性パートナーシップというのは、課税ですとか、あるいは公営住宅ですとか、諸制度において結婚同等の優遇をしなければならないのではないかと、そのように考えている方がいますが、必ずしもその限りではありません。
もちろん、同性パートナーシップを導入している自治体でそういうところもありますし、本来であれば、それが望ましい形というわけなんでしょうけれども、取り扱いについては基本的には自治体が自由に取り扱えるものです。
例えば、先ほど紹介した、つい先日パートナー制度を導入するとした府中市においては、市営住宅に入居するにしても、同性パートナーシップを認めたからといって親族扱いにならないとのことでした。
逆に申し上げれば、同性パートナーシップというのは大仰なことをやっているイメージがあるんですけれども、実はやっていることは、「この2人はパートナーですよ」と書いてある紙を出しているだけ。乱暴な言い方になって恐縮ですけれども。ある意味、「パートナーですよ」と書いてある紙を出しているだけになります。
別にそれを出したからといって大きな法的責任を背負わされたりですとか、あるいは誰かに便益を提供しなくちゃいけない、あるいは誰かの便益を取り上げなくちゃいけない、そういうわけでもない。なおかつ、運用面においても、そんなにお金がかかるわけでもない。そういうことを考えれば、実は行政上の負担というのはそこまで大きいものではないのかなというふうに思います。
行政側の負担に比して、公に2人の関係性が認められる当事者にとっては、非常に幸福なことではないかと思います。
実用面においては、行政手続以上に民間において非常に進んでおりまして、例えば病院で面会する権利ですとか、あるいは携帯会社の家族割が、そういう証明書があれば適用されるとか、そういうものがあります。
そこで、改めて同性パートナーシップについての見解をお尋ねします。よろしくお願いします。

○総合政策部長(小林健司君) 同性パートナーシップの御質問でございます。
 まず、民間の事例をお話しいただきました。民間会社等で活用が可能であることについては承知しておりますが、市が証明することについては引き続き研究が必要というふうに考えてございます。
 議員おっしゃるように、紙切れ1枚をということでございますが、私どもが同性パートナーシップとして宣誓証明書を出すということにつきましては、例えば男女間の婚姻関係と同等の生活ということをどのように認定したらいいのか。一般の戸籍や住民票、それから法務局の登記等は全て法律に基づいて証明書を発行しておりまして、全国で通用するものでございますけれども、そういったものに基づかないで条例で発行する証明の実効性がどの程度担保されるものであるかということ。
 それから、データの原本を持たない、管理していない官公署が証明を発行するということになりますので、その正確性であるとか、最新性をどのように担保するかといった、こういった課題を今考えてございます。
 ただ、御紹介のように、多くの先進自治体でこのような同性パートナーシップの宣誓証明書は出されておりますので、その辺はもう少し研究してみたいと考えてございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) 御答弁ありがとうございます。
同性パートナーシップ、現状としては困難ということですが、漸進的であっても、性的マイノリティーに対しての配慮というのは今後も前に進めていっていただければなというふうに思います。
今後もこうした歩みをとめないためにも、今後の計画策定において現状の啓発活動だけではなくて、より踏み込んだ内容に言及すべきだと思います。
現状の第6次男女平等推進計画においては、理解を深める啓発のみです。しかし、今後の計画、すなわち第7次計画においては啓発以上の取り組み、何か盛り込めないかなというふうに考えていますが、現状として何か追加の記載等は検討しておりますでしょうか。

○総合政策部長(小林健司君) 平成32年度よりスタートいたします第7次男女平等参画推進計画を策定する際に、表現については検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) 御答弁いただき、ありがとうございます。今後の計画において、より踏み込んだ内容が記載されるよう期待しております。
それでは、次に現状なされている対応や配慮についてお尋ね申し上げます。
現状としては、周囲になかなか相談もできず1人で悩んでしまっている当事者も少なくありません。現状としては、そういった方のために何か相談窓口等はありますでしょうか。お示しください。

○総合政策部長(小林健司君) 相談ですけれども、女性総合センター・アイムのカウンセリング相談は、女性のさまざまな悩みの相談だけでなく、LGBTの方の相談も受けられます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。当事者の方も相談を受けることができるということですけれども、その相談に乗る相談員の方というのは、きちんとそういった相談に乗れるような、例えば講習を受けたりですとか、勉強してもらったりですとか、そういう対応はしていますでしょうか。

○総合政策部長(小林健司君) 相談員はさまざまな、LGBTも含む心の相談に関する講座を毎年定期的に受講してございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。相談員の対応もきちんとできるということです。
それでは、実際に性の悩みに関する相談というのは、どの程度の件数があったのでしょうか、お示しください。

○総合政策部長(小林健司君) 平成29年度のカウンセリング相談は、全体で355件ありました。LGBTの相談に特化した統計はとっていないために正確な数はございませんけれども、聞いたところ、件数はわずかであるというふうに考えてございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。件数はわずかということでしたが、一つ、ちょっと確認させてください。
相談を受け付けますよという相談の受け付けですとか周知あるいは広報に際して、その相談の対象になる事例ですとか対象者というのはどのように示していますでしょうか。

○総合政策部長(小林健司君) カウンセリング相談に来られる方々に対しては、パンフレットでお示ししてございます。
 パンフレットの内容としては、
   あなた自身の生き方のこと、男女・夫婦関係、家族のこと、職場や近隣のこと、子育てや介護に疲れたとき、心身のこと、不安なとき。
─と書いてございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
私も実は今パンフレットを拝見しまして、こちらの現状の記載ですと、LGBT関係ですと、強いて言えば「心身のこと」という記載でカバーしているという認識かもしれません。しかし、これを見た限りでは、性的マイノリティーの方が自分も相談できるんだと感じることがちょっとしづらいのかなというふうな印象を受けます。
なので、相談件数が極めて少ないというのは、悩みに感じている人が少ないですとか、相談に対する需要が小さいというよりは、相談できるということがいまいち伝わっていないのではないかなというふうに懸念しています。きちんと性的マイノリティーの方の相談に乗ることができるのであれば、例えば「こんな相談」という例の一つに「性のこと」みたいな、そういったわかるような記載を追加してみてはいかがでしょうか。

○総合政策部長(小林健司君) 昨今の社会情勢を考えますと、このLGBT問題というのは非常に重いものだと考えてございます。議員もそういった御指摘いただいたとおり、我々といたしましても、このパンフレットにLGBTを配慮した記載を考えたいと考えてございます。

○2番(山本洋輔君) 御対応を検討していただけるとのこと、ありがとうございます。大変うれしく思います。
何も専用の相談窓口をつくれと言っているわけではないので、まずは既存の相談窓口を最大限活用して様子を見ていただければと思います。
その状況を見た上で、実はLGBTに関する相談件数が余りにも多かった、それで対応できないですとか、あるいは相談内容が余りにも込み入ったもので、専門の方でなければ対応困難という事態が発生したら、そしたら将来的にさらに踏み込んだ対応を検討していくべきだと思いますので、まずはきちんと当事者の方へ相談できると周知することが大事だと思いますし、そのようにしていただくよう要望いたします。
そして最後に、今後の全体の取り組みとしての方向性について教えていただけますでしょうか。

○総合政策部長(小林健司君) 今現在、私どもといたしましては、冒頭御紹介いただきましたけれども、講座を主に啓発事業として行ってございます。LGBTの講座の対象者をふやしたり、開催時間を工夫するなど、引き続き啓発には努めてまいりたい。
 それから、パートナーシップ制度に関しましては、先ほど申し上げましたとおり、他市の事例を注視しながら引き続き研究してまいりたいと考えてございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
個人的な思いとしては、他市におくれをとらずというよりは、ぜひ他市に先駆けてと申し上げたいところですが、少なくとも現状としては他市におくれをとらないよう、今後も引き続き取り組んでいっていただくよう要望し、この質問を終わりたいと思います。