3件目の一般質問は熱中症対策についてです。
言うまでもなく、今年の猛暑はいわば災害とも言うべきほどのものでした。
それに対する立川市の対応と、生活保護利用世帯に対する熱中症対策について質問をしました。
厚生労働省は生活保護世帯に対して、今年の4月以降に利用を開始した世帯に限り、エアコン購入費の支給を実施することになりましたが、
その対象は「今年の4月以降に生活保護を利用した世帯」という極めて限定的なものとなり、不十分であるとの問題提起もしました。
なお、自身の一般質問も踏まえ、生活保護世帯の冷房器具設置の拡充を求める意見書 も全会一致で可決させることに成功しました。
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ーーーーーーーーーー以下、議事録よりーーーーーーーーーーーー
最後、3点目は、熱中症対策についてです。
昨今、記録的な猛暑が続いております。熱中症による救急搬送者数は増加傾向にあり、消防庁によりますと、9月4日、4月30日から9月2日までにかけての熱中症による救急搬送者数は全国で9万2,099人になったと発表しました。年間搬送者数が9万人を超えたのは、統計をとり始めた2008年以来、初めてのことだそうで、これまでに搬送者数が最も多かったのは2013年、そのときの数が5万8,729人であったことを考えれば、実に1.5倍以上の増加で、ことしの猛暑がいかに深刻なものであったかがうかがえます。
また、熱中症患者の半数は65歳以上の高齢者だと言われています。立川市では熱中症による搬送者数、何人なのかという質問をする予定でしたが、既に何名かの議員から既に質問があったため、わかりました。5月から7月にかけて84名、前年から約1.7倍増加したと伺いました。
そこで、質問です。
ことしの夏に搬送された、その84名の熱中症患者のうち、高齢者の割合というのは把握しておりますでしょうか。把握しておりましたら、その人数を御教示ください。
◎保健医療担当部長(横塚友子君) 熱中症対策につきまして、本年5月から7月までの市内での熱中症による救急搬送者数84人のうち、65歳以上の方は28人となっております。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) 熱中症に関する質問をする予定だったんですけれども、もう既に何名かの議員からなされ、どのような熱中症対策をしているのかという質問についてもなされたので、割愛させていただきます。
立川市としては、ひと涼みスポットマップの発行やごみ収集車からの音声での啓発等、取り組まれているということで、本当に御苦労さまでございます。
話は少し変わりまして、6月に厚生労働省からの通達により、4月以降に生活保護を受給し始めた世帯のうち、自宅にエアコンがない世帯を対象に、エアコンの購入に対して5万円を上限に補助が出ることになりました。生活保護利用者の中ではこれまで認められていた暑さ対策というのが、網戸の設置ぐらいだったということを考えれば、大変大きな進歩のように思います。
そこで、質問です。
現在、生活保護利用世帯において、エアコンの有無の状況というのは確認できておりますでしょうか、よろしくお願いします。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 夏場にケースワーカーが被保護者の御家庭に訪問を行います。その際にエアコンがあるかないかの確認は行っております。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) ということは、統計的に生活保護受給世帯何世帯中何名というふうに具体的な数で把握しているわけではなくて、ケースワーカーが行ったときにエアコンがないかどうか、それを確認しているという認識でいいでしょうか。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 議員のおっしゃるとおり、ケースワーカーが訪問したときに、その際に確認しているということでございます。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
それでは、例えばケースワーカーが訪問して、例えばエアコンがないとか、エアコンがついていないというふうに確認した場合は、どのような対応をなさっているのでしょうか。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 今回の厚労省のエアコンの支給については、限定的なものでありますので、ケースワーカーが御家庭に訪問した際には、熱中症に注意するように呼びかけたり、水分等を多くとることや冷房のきいた施設等で日中過ごされることなどを助言しております。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) 6月の厚生労働省のこの通達の周知が不足しているということで、先日再度周知するように厚生労働省から通知されたというふうに聞いております。立川市において、その通知の周知についてはいかがでしょうか、お願いします。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 厚労省からは6月27日、8月2日の2回通知が来ております。限定的な制度でございますので、必要な方には、この制度を使ってエアコンの設置ができますけれども、一般的な全員に支給できるわけではないので、それについては限定的な支給になっております。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
一応周知するべき人には周知しているということで、承知いたしました。
それでは、今回の厚生労働省の措置によって、実際にエアコンに対してなされた補助の件数は把握しておりますでしょうか。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 8月28日の時点で6件支給しております。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) その6件というのは、4月1日以降に生活保護を開始した世帯でしょうか。あるいは、4月1日以降に転居や退院をしておうちに入った数でしょうか、その割合を伺いたいんですけれども、もし把握していたらお示しください。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 4月1日以降に生活保護を開始した世帯は4月末現在で126世帯ございます。それで、8月28日の時点で6件支給しているということは、この厚労省が決めてきた、その決まりに合った世帯が6件で、それについて支給したということだと思います。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) 6件というのは、確かに微々たる数字に思えます。確かに今回の通知というのは、一見画期的に見えながら、実はその対象者というのは非常に限定的です。
すなわち補助の条件として、ことしの4月1日以降に生活保護を開始した、あるいは引っ越しをしたという規定があります。つまり3月31日以前から生活保護を利用していた人は対象外となっています。したがって、今回の措置の恩恵にあずかることができる対象の世帯は非常に少ない状況です。
私はこの措置は非常に不平等なものじゃないかと思っております。4月1日に生活保護を開始した人はエアコンを設置してあげるけれども、3月31日に生活保護を利用した人はエアコン必要ないよという論理的な根拠は全くありません。今や猛暑も災害だとは言われているようになってきている御時世です。
かつてはエアコンなんてぜいたく品だったかもしれませんが、今では健康で文化的な最低限度の生活を送るには必需品だと思います。それを生活保護の開始時期によって補助するしないを振り分けてしまうのは、やはりいかがなものかと思います。最も詰まるところは財政的な事情ということなんでしょうけれども、経済性を求めるのであれば、予防にまさるものはありません。
例えば熱中症で救急搬送され、宿泊を伴う入院に至った場合、その費用は大体5万円から9万円と言われています。2泊3日の入院になってしまった場合は、ケースによっては10万円以上かかるということです。
また、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えている人も、普通の人以上に熱中症になりやすいと言われていますが、生活保護を利用している方の中には、そういった慢性疾患抱えている人も非常に多い状況です。そういったことを考慮しても、やはり私は全利用者を対象にするのが本来合理的ではないかと考えております。
そこで、質問です。
今後、国に対して対象者を、要するにエアコンに対する補助の対象者をもっと拡大していくべきだという、そういった類いの要望等、出すお考えございますでしょうか。
◎福祉保健部長(吉野晴彦君) 具体的に法定受託事務でありますので、国が決めたことを実施するのが原則でございますので、ただ、人道的にそういう部分は必要だという認識はありますので、例えば生活保護の課長会であるとか、あと福祉保健部長会であるとか、その中では議論していきたいというふうに考えております。
以上です。
◆2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
部長会や課長会等で議論していただくということでいいと思います。
これ以上は立川市の市だけの問題だけではなく、国にかけ合っていくべき問題だと思いますので、質問は差し控えますが、かつてと異なりエアコンというのは、今や生命の維持にかかわる機器になっていると思っています。それを健康で文化的な最低限度の生活を保障する最後のとりでである生活保護制度がそれを担保していくのは当然だと考えています。
また、生活保護というのは、昨日の上條議員の質問にありましたとおり、ほかの多くの制度の基準にもかかわってきています。今回取り上げた生活保護利用の世帯のエアコンなんて瑣末な問題だ、優先順位が低い、そう思っている方もいるかもしれません。しかし、この生活保護制度はいわばどんな人がどんな状態になっても、日本は憲法のとおり最低限度の生活を保障するよというメッセージです。そのメッセージが有効性があるものであると担保することは、利用者だけではなく、利用していない私たちにとっても、日々の生活を送る上でとても大きな安心感となるものです。
以上のことから、生活保護制度というのは、一部の人のためだけのものではなく、国民全体のものであると解釈しています。これから秋口に入り涼しくなっていくにつれ、熱中症の話題も下火になってくると思います。
しかし、また暑い夏は来年もやってきます。これについての問題は一時的な話題にとどめることなく、引き続き取り組んでまいりたいと個人的な決意になりますが、決意を述べ、今回の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。