12月議会で取り上げた2点目の質問は生活困窮者支援についてです。

生活困窮者自立支援法という法律が成立して、3年が経ちました。

この法律は生活保護に至る前、もしくは保護脱却に際しての自立支援を図るためのもので、

それに基づいて各自治体もそれを受け、必須事業として「自立相談支援事業」、「住居確保給付金の支給」、任意事業として「就労準備支援事業」、「一時生活支援」、「家計相談支援事業」、「子どもの学習支援」などの事業が実施されました。

立川市では必須事業に加え、29年から「子どもの学習支援」を実施しています。

今年の6月にはこの法律が改正され、自治体も新たな対応を必要とされています。

改正のポイントは以下の通りです。

・事業実施自治体の各部局において生活困窮者を把握した場合には、自立相談支援事業の利用勧奨を行うことが努力義務化

・就労準備支援事業と家計改善支援事業のこの二つが努力義務

これらの改正について、立川市はどのように取り組んでいくのか、質問しました。

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ーーーーーーーーーー以下、議事録よりーーーーーーーーーーーー

○2番(山本洋輔君)
2点目の質問は、生活困窮者の支援についてです。
また私ごとの話で恐縮ですが、貧困問題というのは私の議員としては非常に大きな原点でした。
私は大学浪人時代、立川の駅前で予備校生活を送っていたんですけれども、そこで初めてホームレス問題というものを知りました。もう10年近く前のことですが、昔の立川駅前はホームレスの人たちも多かったと皆様も記憶していると思います。
浪人生だった私は、そこでホームレスの存在を知り、それで今も立川駅で売っていますけれども、「ビッグイシュー」というホームレスの方が売っている雑誌があるんですけれども、それを買うようになりました。
それで販売者の方とすごい仲よくなって、ある日、その販売者の方から、「地域のために、困っている人のために頑張っている偉い人がいるから会ってみないか」と言われ、その方がきょうも傍聴席に見えていますけれども、大沢豊前議員でした。
なので、「ビッグイシュー」という貧困関係の問題を通じて大沢前議員と出会ったことで、私は今こうして議員をさせられている次第であります。
以上のようなこともあり、現在も困窮者支援のNPO法人「さんきゅうハウス」の一スタッフとして、私も立川における貧困問題に取り組んでおり、私にとって貧困問題というのは非常に思い入れの深いトピックです。
さて、私ごとはさておき、困窮者問題というのは約3年ほど前に生活困窮者自立支援法の施行によって本格的に始まりました。生活困窮者への支援というのは、これまでほかの議員からもたびたび質問されていますが、よく生活保護利用者への支援であると誤解されている方も多く、また私がこの問題に触れるのも初めてなんで、改めて少し説明させていただきます。
まず、生活困窮者自立支援というのは、まず一言で言ってしまえば、最後から2番目のセーフティネットとも言えます。最後のセーフティネットというのは、言うまでもなく生活保護のこと。なので、生活困窮者自立支援法というのは、生活保護を受けそうなくらい困窮しつつある人に対して生活を立て直せるように支援するというものです。
この法律の施行により、自立支援相談事業や住居確保給付金支給事業など、そういったものが必須事業になったほか、あとは任意事業として就労支援事業ですとか、あと家計相談支援事業などが各自治体で展開されるようになりました。
現在、この法律の施行から3年がたちました。そして、ことしの6月に法改正がなされ、今後3年間で集中的に支援実施体制をさらに整えていくというふうに決まりました。つまり、今このタイミングが過去の3年を振り返り、そして今後の3年をどうしていくべきなのか、ちょうど考えるタイミングなのではないかなと考えております。
そこで質問です。
生活困窮者自立支援法が施行されて3年がたちました。これまでの3年間の支援活動を振り返ってどのように評価しておりますでしょうか、よろしくお願いします。

○市長(清水庄平君) 生活困窮者自立支援法に基づく支援につきましては、国が必須事業に指定する自立相談支援事業と住居確保給付金の支給を平成27年度から、また任意事業の子どもの学習支援事業を平成29年度から実施しております。
 自立相談支援事業では、生活保護に至る前の多様で複合的な課題を有する生活困窮者を早期に発見するとともに、状況に応じた支援等により生活困窮者の自立につなげたことや、子どもの学習支援事業では、子どもたちの学習意欲や成績の向上だけでなく、社会性の育成等にも向けた支援により、昨年度は目標としていた登録者全員が高校に合格することができるなど、一定の成果は上がっていると考えています。

○2番(山本洋輔君)御答弁ありがとうございました。自立相談支援事業において生活困窮者の自立につなげている状況や、また子どもの学習支援事業においては、昨年は目標としていた登録者全員が高校進学を達成できるなど、非常に評価でき、うれしく思う側面もあります。
さて、この生活困窮者自立支援事業は、生活困窮者が増大すると思われる将来において、ますます重要性が増してくると思います。
このたび、生活困窮者自立支援法の改正により、幾つもの改正ポイントがありましたので、幾つかに分けて質問させていただきます。
まず1点目です。
今回の改正では、事業実施自治体の各部局において生活困窮者を把握した場合には、自立相談支援事業の利用勧奨を行うことが努力義務化されました。
どういうことかと申し上げると、例えば収納課に行って「納税ができません」という相談が来たりしたら、その来庁者に対して自立相談支援事業を受けるように勧めるといったぐあいです。
そういったぐあいで、収納課だけでなく福祉ですとか就労、教育、住宅課、あらゆる役所の各窓口で生活困窮者であることがわかったら生活福祉課に回される可能性が高いと、そういうことです。
そうなると、生活困窮者自立支援制度というのは、今後さらに利用する人がふえていく可能性があります。そうなると、現在の生活福祉課の業務量も増加すると思いますが、それについてはどのような認識でしょうか。

○福祉保健部長(吉野晴彦君) 御指摘の利用者増加の問題や関係機関との支援会議の実施、庁内の関係施策や制度等との連携など、今後も生活困窮者自立支援法に係る業務は拡大していく方向にあると考えられます。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。御答弁いただいたように、生活困窮者自立支援法に係る業務は拡大していくということでした。
現状の生活福祉課の業務としては、生活保護に係る業務がかなりのウエートを占めていると思いますが、恐らくは今後生活保護と並ぶ二本柱くらいの勢いで重要性が増してくるのではないかなと思います。
よく生活保護問題を初めとする福祉関連の事業ですと、よく福祉をとるか、財政をとるかみたいな対立項で、拡充するか、縮小するかみたいな、これはよく議員の間でも議論になりますけれども、今回の生活困窮者の支援については少しわけが異なっているように思います。
この制度は、生活保護に陥る前に何とかしようという、そういう側面もあるわけでして、逆にこれがなければ、かえって生活保護のほうで財政を圧迫するという可能性もあるわけです。
なので、私は今もそうですけれども、財政か、福祉かでいったら私は福祉をとるという立場でよく物申すことが多いわけですけれども、今回の生活困窮者自立支援の拡充については、財政をとるという立場の方から見ても、拡充することは決して非合理的なことではないと考えます。
なので、生活困窮者自立支援事業というのは、今後必然的にどんどん膨れ上がっていくのではないかなと思います。
もしそうなった場合、現状の生活福祉課だけで、それを引き受けていくというのは少し難しいのかなというふうに少し懸念しております。
つきましては、今後庁内における体制もそのうち見直さねばならないのではないかと思っております。
例えば、今後の後期基本計画を見据えて、極端な例で言えば、例えば、生活困窮者自立支援用の新たな課を設けるですとか、さすがにそれは非現実的でも、例えば収納課や住宅課など、関連する各部署との庁内連携ができるような体制を構築して業務を分散させるなど、いずれにしても何らかの対応が、組織の対応や見直しが必要になってくると思います。それについては、どのような認識でしょうか。

○総合政策部長(小林健司君) 第4次長期総合計画後期基本計画の策定等とあわせまして、組織等の見直しについても検討してまいりたいと考えてございます。

○2番(山本洋輔君) 御答弁ありがとうございます。組織の見直しについても検討するということでした。
これは、きょうあすにでもすぐやってくれということではないのですが、しかるべきタイミング、しかるべき計画が策定される際には、きちんと念頭に置いて取り組んでいただければと思います。
続いて、今回の生活困窮者自立支援法の改正の大きなポイントとして、就労準備支援事業と家計改善支援事業のこの二つが努力義務となりました。これまでこの二つは任意事業だったので、任意事業から努力義務ということで文言が少し強くなりました。
これまで本市においては、この2点実施されていなかったということですが、今回の改正を受けて今後の方針に変更はありましたでしょうか。

○福祉保健部長(吉野晴彦君) 家計改善支援事業につきましては、実施に向けた検討を進めておりますが、就労準備支援事業につきましては現時点では検討しておりません。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) わかりました。家計改善支援事業については、いよいよ実施に向けた検討を進めているということで、大きな進歩だと思います。私も引き続き取り組みに注視してまいりたいと思います。
今回の改正では、任意事業から努力義務と強制力が少し強くなっているわけですから、今後の方向性としても努力義務から今後さらに拘束力の強い義務になっていくのではないかと思います。
なので、今回は努力義務ということで対応を見送ることもできますけれども、今後、就労準備支援事業についても、今後検討する必要性がいつか生じてくるのではないかなというふうに思われますが、どのような認識でしょうか。

○福祉保健部長(吉野晴彦君) これまで任意事業だった就労準備支援事業や家計改善支援事業が努力義務化され、国は2022年度には全ての自治体が両事業を実施することを目指しております。
 就労準備支援事業につきましても、実施に向けた検討が今後必要になっていくと考えております。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。就労準備支援事業も、本来であれば非常に重要な事業でして、これは生活福祉という側面だけでなく財政的な側面からも、今後さらに重要視されてくるだろうと思われる事業ですので、ほかの自治体や国の動向などを着目し、研究を続けていただけるよう要望いたします。
続いて、居住支援についての質問をいたします。
今回の改正において居住支援の強化がなされ、内容として一時生活支援事業の拡充というものがありますが、これはどのようなものか、どういう認識でしょうか。

○福祉保健部長(吉野晴彦君) 一時生活支援事業は、住居のない方に対して、一定期間、宿泊場所や衣食の提供を行う事業ですが、現行の一時生活支援事業を拡充し、シェルター等を利用していた方や、居住に困難を抱える方で地域社会から孤立している方に対して、一定期間、訪問等による見守りや生活支援を創設するものでございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
立川市としては、一時生活支援事業の拡充を実施する検討をする予定はありますでしょうか。

○福祉保健部長(吉野晴彦君) 一時生活支援事業につきましては、生活困窮者自立支援制度の任意事業に指定されておりますが、多摩地域でも実施している自治体が少なく、当面は他の自治体や国の動向を注視してまいりたいと考えております。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。当面は様子を見ていくということですが、今後、住まいの不安を抱える人というのは今後さらにふえていくのではないかと思います。
つい先日も、私が活動していますNPO「さんきゅうハウス」において、家を追い出されてしまったという方が相談に来られました。その人は私と同世代くらいの年齢だったので、本当にこの問題の大きさを実感しています。
もっとも、いわゆるホームレスと言われている人たちの人数というのは、長期的に見て減ってはいるんですけれども、今後不安定な雇用状況などによって、住まいに困る人というのはふえていく見通しと言われています。
さて、2年前に策定された立川市第3次住宅マスタープランの中にも、推進する施策として、「立川市居住支援協議会の設立に向けた検討」という記載があります。また、そのとき2年前に、ある議員の方からなされた一般質問に対しては、
居住支援協議会を有効なツールとして、課題や体制など、そういったものを庁内で検討していくとし、関連部署による勉強会を進めていく。
─という答弁がありました。
また、今回の定例会においても、私の前に何人もの先輩議員の方が居住支援協議会について触れたと記憶しています。
今回の質問、先にされた質問と重なってしまって恐縮なんですけれども、改めてさせていただきます。
居住支援協議会に関して、これまでの議会の議事録を拝見するに、2年前からずっと「研究」ですとか「勉強会をしている」ということですが、現状の設置の検討状況について御教示いただけますでしょうか。よろしくお願いします。

○市民生活部長(井田光昭君) 居住支援協議会についての検討状況の御質問でございますが、平成28年度に庁内の勉強会を4回開催し、関連部署の事務担当を中心に研究を行いました。
 また、協議会を既に設立している調布市、八王子市へ視察に伺いました。
 29年度以降におきましては、東京都の居住支援協議会にオブザーバーとして参加するとともに、国や都、先進市の情報交換会やセミナーに参加し、他団体の事例研究や情報収集を行ってきております。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。
過去の議事録を拝見したら、「研究を重ねています」みたいな答弁が多かったんで、本当に研究しているのかと少し最初疑っていたんですけれども、御答弁をいただいて、精力的に研究を重ねているということが改めてわかりました。
ただいまの御答弁聞いた限りでは、もうかなり踏み込んだ研究をしていて、もうそろそろ具体的に設置に向けた検討をしているんじゃないか、そんな印象も受けたんですけれども、今後の協議会設置についての検討に関するスケジュールとか、もしやあるのではと思ったんですけれども、いかがでしょうか。

○市民生活部長(井田光昭君) 居住支援協議会の設置につきましては、設立に向けた検討を行っている段階で、現時点で具体的なその先のスケジュールは決まってございません。
 居住支援協議会は、全国で70団体ほどが設立され、多摩地域では4市で設立されている状況でございます。
 居住支援協議会のあり方は、各自治体の抱えている課題や状況により、さまざまな形態がございます。他団体の取り組み状況などを参考にしながら、本市におけるよりよい事業形態やスキームについて研究・検討をしていきたいと考えてございます。
 以上です。

○2番(山本洋輔君) ありがとうございます。全国市町村1,700以上ありますけれども、まだ設置している団体は約70団体ほど、多摩地域でも4市のみということで、居住支援協議会というのは、まだまだ新しい取り組みになるということだと思います。それゆえ慎重に研究を重ねる必要があること、十分理解しているつもりです。
その一方、全国にまだ70しかないということは、今立川市でいいものがつくれれば全国のモデルケースにもなる可能性があるということです。すぐに拙速に進めろとは申し上げませんが、立川市でこれからもぜひ引き続き研究を重ね、立川市に合ったモデルを検討するとともに、いよいよ設置するぞという決断に踏み切るタイミングもそのうち検討していただければと思います。